レコードの針を落とした瞬間

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森山直太朗2ndミニアルバム「いくつもの川を越えて生まれた言葉たち」レビュー

ついこの間まで寒かったのに、先週から今週にかけて夏日になったりならなかったり。気候も上がったり下がったり大忙しですね。

 

どうもリョウスケです。

 

今回は心休まる温かな森山直太朗のミニアルバム「いくつもの川を越えて生まれた言葉たち」の紹介をしたいと思います。

みなさんご存じ森山直太朗は2002年にデビューしたシンガーソングライターです。作詞作曲は御徒町凧という方と共作することが多いみたいですね。

代表曲は「さくら」「生きとし生ける物へ」などがあります。

 

今回紹介するアルバムはメジャーデビューしてから2枚目のミニアルバムです。

 

初期の森山直太朗は音数が少なく、とても落ち着いた曲が多くて、個人的に大好きです。寝るときや、夕暮れ時に聴くと魂が抜けたように聴き入ってしまいます。本アルバムも静かで、癒されると思います。

 

 ~全トラック一文解説~

 

#1. 風唄

イントロは優しいメロディーで始まり、サビになるといきなり壮大な楽曲に変化する楽曲。森山直太朗の歌詞はとても日本っぽく、外国語に訳そうと思ってもニュアンスが伝えにくいですね。日本人のための楽曲だと思います。

 

#2. 約束

 アコギ一本と声のみで表現している優しい楽曲。歌詞は、昔付き合っていた人とお別れをしたというテーマの失恋ソングなのかなと自分は解釈しています。悲しいですが勇気をもらえる歌ですね。

 

#3. 恋

#2とは打って変わって、バンドサウンドから始まる楽曲。#2と関係のありそうな歌詞で続けて聴くと一つの物語を描いているように感じます。

 

#4. マリア

名前から宗教歌なのかと思いましたがそういうことではなく。主人公がとても想っている人をイエスの母「マリア」に置き換えて歌っているようですね。信者がマリアを崇めるように、主人公もその方を神々しく、大切な存在だと思っていたのでしょうか(お別れした時はみんなそう思いますよね)。

 

#5. 夏の終わり

本アルバムで唯一シングルカットで発表された楽曲。この曲も別れをテーマにした曲ですが、これまでの恋愛などの「別れ」とは違う気がします。作詞した本人たちもこの楽曲を反戦歌だと言っているみたいなので...テーマ的にご想像通りだと思います。「夏」というのも終戦を思わせるキーワードですからね。

それにしても、この楽曲の歌詞は完成度が高く、美しい日本語が多用されています。特に1、2番のAメロ部分。どうしたらこんな言葉が生み出されるのでしょうか。俳人さながらです。

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※PVとアルバムに収録されている楽曲では、アレンジが異なります。

 

#6. 土曜日の嘘

個人的にこのアルバムの中で一番好きなトラック。終始つけっぱなしのメトロノームのカチカチという音が印象的です。歌詞も最後のトラックにふさわしい、悲しい別れのようなニュアンス。とても癒される楽曲です。

 

いくつもの川を越えて生まれた言葉たち

いくつもの川を越えて生まれた言葉たち

  • アーティスト:森山直太朗
  • 発売日: 2003/06/18
  • メディア: CD
 

 

アルバム全体を通して

 「いくつもの川を越えて生まれた言葉たち」というタイトルのアルバムですが、いくつものテーマが集まり、そこで楽曲や言葉で表現されているという意味でつけたのですかね。川下は違えど、元をたどればおおもとのテーマは「別れ」なのでしょうか。「川」という表現がうまいですね。

この楽曲たちは歌詞がとても美しいので、歌詞カードのあるCDで持っておきたいレベルのアルバムです。「夏の終わり」に引っ張られていますが、晩夏の夕暮れ、縁側で聴きたくなる楽曲たちです。

 

※上記歌詞については個人的な見解が強いため、すべてをうのみにせず、個々で感じたまま解釈するといいです。