レコードの針を落とした瞬間

お気に入りの楽曲紹介や楽器、機材に関連する情報を発信する、音楽雑記ブログ。

少年メリケンサックというむちゃくちゃなパンク映画

 

コロナの影響で、国内が不況になり、音楽や芸術の文化の質が落ちないか心配です。

 

どうもリョウスケです。

 

何度も見ていますが、また最近見たので、これを機に紹介します。今回は「少年メリケンサック」という映画です。

上記、宮崎あおいメリケンサック装着姿が、なんともヤンキー風でいいですね。気に入ってます笑。

 

この映画、最近世間をざわつかせた宮藤官九郎監督・脚本です。

 

簡単にあらすじを紹介します。

宮崎あおい役のレコード会社契約社員が、勢いのある若いパンクバンドを発掘するが、すでに何十年も前に解散していました。しかし、ライブのツアーを組んでしまったがために、おっさん達を再結成させて、ライブをやらせるというクドカンらしい破茶滅茶な設定の物語です。

 

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主人公(宮崎あおい)の彼氏はパンクとは対極にあるフォーク歌手を夢見ており、主人公の置かれる身としてレコード会社の仕事とプライベートでギャップがあります。この設定が面白さの鍵でもあります。

 

またこの映画では沢山のアーティストが関わっており、銀杏ボーイズがアイドル役で出たり、星野源のバンド、sakerockメンバーが少年メリケンサック(バンド)に殴られたり、他にもピエール瀧ギターウルフなど、知っていたら面白い人たちが勢ぞろい。そして、この映画の音楽の担当は向井秀徳(ナンバガ)と来たものだからロックファンにとってはたまらないですね。

 

ニヤリニヤリとさせられる演出です。

 

メインとなるバンド、少年メリケンサックも、少年ナイフをパロっていたりして。その少年メリケンサックが歌うニューヨークマラソンという曲もsex pistolsのGod Save The Queenのパロディですし。もうクドカンワールド炸裂です笑。

 

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これをパンクと言うのはどうかと思いますが、とても笑わされる映画です。

 

宮崎あおいのキャラが良すぎて、惚れます。ラストの両手中指突き立てはクールです笑。

 

短命なバッドボーイズバンド、Bad Cityについて

 

外へ一歩も出ないと、運動不足になりがちになってしまうので、人がいない早朝にお散歩に行くとかできれば良いですよね…起きれれば笑

 

どうも運動不足のリョウスケです。

 

今回は、2010年頃流星のごとく現れ、流星のごとく去っていったバンド、Bad Cityについてご紹介します。

 

 

Bad Cityはシカゴ出身の5人組ロックバンドで、motely crueやskid rowHanoi Rocksなどのバッドボーイズ系のグループです。

 

ボーカルのジョシュキャディはハスキーなボイスに、白に近い金髪の髪を持ったイケメンさんです。歌い方はmotely crueのヴィンスニールに似ています。

 

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バッドボーイズ系とは言ったものの、往年の名曲フレーズのオマージュや、雰囲気を寄せているものなど、ロック全盛期(80~90年代)にバリバリ影響を受けていますね。アルバム曲を聴くと、随所に影響を感じられ、「これはあのバンドのオマージュだ」と分かるほど。ロックファンであれば、ニンマリしてしまうと思います。

 

あのsmashing pumpkinsのビリーコーガンやKISSのポールスタンレーなど、大御所たちがこのバンドを推しに推しまくってたのも有名な話ですね。

 

アルバムを1枚出して、その後解散してしまったのが惜しいですが、その1枚はとても完成度が高く、ロックをあまり聴かない人にもオススメできるほどの聴きやすさになっています。まさに、今までのロックの復習ですね←漢字合ってます。

 

粒が揃った今時のサウンドで、ツインギターがものすごくかっこいいです!

 

☆☆☆1st 「Welcome To The Wasteland」☆☆☆

おすすめトラック

を紹介しようと思いましたが、全曲になってしまうのでやめます。

 

声が苦手っていう人以外、おすすめできるかっこいいバンドです。

日本のロックを開花させたTWISTというバンド

 

在宅勤務がトレンドワードになりそうな今日この頃。みなさん元気に過ごせているでしょうか。

 

どうもリョウスケです。

 

 今日は昔、日本で人気を博した伝説的なバンドを紹介します。世良公則率いるそのバンドの名は「TWIST」。

 

 

1970年後期、海外ではハードロック全盛期。イーグルスやクイーンが活躍していた時代でした。そのころ日本では、独自のメロディーが印象的な歌謡曲がチャートを独占していました。日本人がロックをやっても商業的に成功しないと誰もが思っていた時代でもあります(もちろんチャート外で活躍していたロックバンドはありますが)。

 

そこに流星のごとく登場したのが世良公則&ツイストです(のちにツイストに改名)。お茶の間にギターをかき鳴らしロックで音楽を表現してみせたはじめてのバンドといっても過言ではありません。

 

 

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日本独自の歌謡的なメロディーを残しつつ、音はバリバリのロックサウンド。歌詞は昭和的なにおいが感じられますが、とてもストレートで男の気持ち、女の気持ちを歌っています。

 

ボーカルの世良さんについていえば、声は天性のものですが、少なからず歌い方やしぐさは、本当にロックンロールの影響を受けており、とても努力されている方だと思います(フェイセズの影響が強い?)。

 

また世良さんは、バンドという形態にすごくこだわりが強く、TVの音楽番組でパーフォーマンスをする際に、ボーカルだけ映すことに苛立ちを覚えていたそうです。レコード会社は世良さんをアイドル的に売りたかったのではないでしょうか。ボーカルだけ目立つことに不満を持っていたことで、関係者とモメたこともあったとか。なのでデビュー時のバンド名「世良公則&ツイスト」という名前も気が進まなかったのではないでしょうか。2ndアルバム以降は「ツイスト」になっていますしね。

 

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ツイストは自身のロックンロールという信念を曲げることなく、1981年に解散しました(活動期間約4年)。活動期間が短く、解散時期が早かったこともあり、メディアでは過小評価されたイメージがあります。

ですが、今現代にこのような骨太ロックを演奏しているバンドはいるでしょうか。トレンドはしばし時代に左右されますが、それでも、ツイストは私の知る限り、日本で一番のロックンロールバンドだと思います。

 

さて、ではツイストを聴いたことがなくて、何から聴けばいいかわからないという方へ、まずはベストを聴くといいと思います(本記事冒頭のジャケット画像のやつ)。そしてさらに気に入った方は下記のライブ音源を聴くといいと思います。ロックバンドの醍醐味はライブなので。

 

あなたの心に響くバラード特集Vol. 1

 

TVでは、新型コロナでBadなニュースに目が行きがちですが、明るい情報も多く発信してほしいですね。

 

どうもリョウスケです。

 

今回は、甘いメロディーや優しい歌詞の目立つバラード楽曲を紹介していこうと思います。

 

世の中にはバラードな曲がたくさんあるので、今回は60年代の渋めな時代の楽曲を主に取り上げます。

 

大切な人やお酒、おつまみと一緒に聴くと自然と涙があふれ出るかもしれませんよ。

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Candy Says / the velvet underground

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1969年にリリースした「the velvet underground」というアルバム収録。浮遊感のあるスローバラードです。

 

Candy Darlingという女優をモデルにした楽曲ですが、歌詞を読まずとも儚さが伝わる歌い方ですね。このキャンディさんはトランスセクシャルで子供の頃より大変な思いをしてきたと思うんです。のちに女優として成功していますが、29歳という若さでこの世を去ります。

 

自覚している性と身体的性の不一致による苦痛や、社会的にどう見られているか、そのあたりが歌詞に反映されているのかなと自分は思い、悲しい気持ちになります。でもどこか美しさを匂わす楽曲でもあり、なかなか心に訴える楽曲ではないでしょうか。

 

A DAY IN THE LIFE / The Beatles

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The Beatlesのアルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のトリを務める楽曲。説明不要の名曲ですが、途中にサイケ感のあるオーケストラの間奏、麻薬や戦争を想起させる歌詞など、一筋縄ではいかない楽曲です。

 

I read the news today, oh boy

               A DAY IN THE LIFE / Lenon - McCartney

 

上記、一文から始まるA DAY IN THE LIFEという世界は、人間の生活感から社会問題へと幅広いテーマを持った、空想的出来事に染め上げられています。 

 

little wing / The Jimi Hendrix Experience

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ギター弾きなら誰しもが知り、憧れる存在、ジミーヘンドリックスの名曲中の名曲。イントロでは、味わい深く奏でるギターと一音ずつ丁寧に叩かれたグロッケンシュピール(鉄琴)が印象的。

 

音楽にとってジャンル分けなど無用の長物でありますが、ブルースでもR&Bでもなく、「little wing」というある種のジャンルを作り上げています。

 

ギターを弾かない人でも、もし、少しでもジミーヘンドリックスに興味があるようでしたら、まずこの楽曲から聴いてみてはいかがでしょうか。歌メロもギターメロも常人を逸脱したセンスで作り上げています。

 

また、この楽曲はStevie Ray VaughanやEric ClaptonSkid rowなど、数えきれないアーティストたちにカバーされています。それだけこの曲を愛する人が多いようですね。

 

tell me / The Rolling Stones

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 みなさん大好きローリングストーンズの1stアルバム「the rolling stones」からtell meです。まだバンド自体がオリジナル楽曲を作るという時代ではなかったので、アルバムにはこの曲含め数曲しかオリジナル作品を取り入れていませんでした。なので手探りで作った楽曲ではないでしょうか。荒削りで、アルバムでは浮いた存在といった声もありそうです。がしかし、曲単体で考えると何とも感情的で、今の言葉で言えばエモーショナルに歌い上げています。若さの勢いというやつですかね笑。

 

歌詞はよくある失恋ソングですが、何度も繰り返されるサビのメロディーが何とも悲しく、涙腺を崩壊させられます。

 

Summertime / Janis Joplin

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とてもソウルフル。差別的な発言かもしれませんが、女の人で、ここまで魂がむき出しで、内なる何かを絞り出すように歌い上げるヴォーカルをほかに見たことがありません。当時も孤高の存在で、ここまで歌唱力の高い人がいたでしょうか。

 

個人的には、ジャニスが亡くなる少し前からデビューしていたLed zeppelinのヴォーカル、Robert Plantに系譜が受け継がれたような気がします。

 

動画の楽曲はGeorge Gershwinのスタンダードナンバーをブルース風にアレンジした楽曲です。かっこよさを通り越してもはや怖いです笑。国宝級です。

 

ジャニスは他にもmove overという曲も人気です。ぜひチェックしてみてください。

The Black Keys:1stアルバム「the big come up」レビュー

 

寒くなったり、暖かくなったり、初春は気候も大忙し。

 

どうもリョウスケです。

 

今回は以前ご紹介した、the black keysの1st アルバム「the big come up」のレビューをしたいと思います。

 

 

2002年に発表されたこのアルバム、ほとんどの曲がヴォーカル、ギター、ドラムのみの演奏。しかしながら、音に厚みがあり、音そのものの歪み感が、うまい具合に音のレンジを出しています。(ヴォーカルギターのダンは、フィンガーピッキングで低音と高音の使い分けをしています)

 

また、このアルバムの構成として、カバー曲が多いことや、1曲の長さが短い(最大でも3:11)のも特徴的です。60年代を意識しているのか、こだわりが感じられますね。

 

このアルバム、CDとvinyl(レコード)版とで、曲順が違いますね。自分はこのアルバムに関しては、レコードで聴くことをオススメしますので、レコードの曲順でレビューしたいと思います。

 

「the big come up」

 

side A
1. Busted

ド頭一曲目!ブルース感バリバリです。この曲は一応、R.L. Burnsideというブルースシンガーの"skinny woman"が元となっている、いわゆるカバー曲ですね。曲名が違っているのは、歌詞をガラッと変えているからですね(著作権とかどうなってるんだ?)。メインリフは原曲ママですね。


2. Do the Rump

2曲目も渋くかっこいい曲を持ってきていますね。こちらもJunior Kimbroughというブルースシンガーのカバー曲です。ド頭の"Hey now baby~"が印象的で、リズムが重く、軍隊で山を登るようなズシンズシンという地響きにも感じるようなリズム感ですね。ヴォーカルの合間に、ギターも歌ってるかのようなリードメロディーのオンパレードです。

 

3. I'll be your man

最初、自分はライブ映像を見てから好きになった曲です。音源ではマラカスのシャカシャカ音が軽快感を生み出しています。また、ギターのこの詰まったような音が心地よさを醸し出していますね。3曲目にして、はじめてのオリジナル楽曲です。

 

4. countdown
珍しくベースが入っていて、ギターもそれなりにオーバーダブされていますね。この曲はとても展開がなだらかなで、ブルースのような楽曲。イントロのパトリックの軽快なスネアが印象的ですね。

 

5. the breakes

もうギターがノイジー。冒頭部はパトリックのドラムビートとアナウンスが入るラジオ風なはじまり。そこからいきなりダンのノイジーなギター音でぶち壊す!随所に出るギターのチョーキングがかっこいいです。マネしたいけど絶対にこんな音出せない笑。ダンのギターサウンドは、生々しくて、個性の塊ですよね。

 

6. run me down

side Aの中では落ち着いた印象の曲。サウンドメイクで少しハイを削っているのでしょうか。曲の終わりのほうのリズムの崩し感とか、一発録りの雰囲気があって好きです。CD音源だけど、ライブ感があるというか。ラフさがたまらんです。

 

7. she said, she said
最初はびっくりしました。なんてったって、さらっとビートルズのカバーが入っているものですからね。これは自分の大好きなアルバム「revolver」に収録されているもので、そのまま歌えば、ビートルズの印象から抜けられないのですが、この2人のアレンジは、アルバムにぽつんと入ってても気づかないくらい(いい意味で)、オリジナルを自分たちなりに昇華した曲に仕上がっていますね。

 

side B
8. heavy soul

裏面 side Bの一発目は荒々しいギターフレーズとドラムのドン、ドンというリズムが合わさった楽曲。途中の「heavy soul!」という掛け声からツッコミ気味で演奏されているので自分的にテンションがあがります。この曲は珍しくオーバーダブされたギターソロが入っていますね。ノイジーでかっこいいです。


9. yearnin

ライブで演奏しているかのようなテンポの速さ。1分すぎたあたりにちょっとした間奏があるのですが、そこでギターのフレーズを左右のチャンネルで切り替えています。歯切れが少し雑なので遊び心でやっているのかなと自分は思いますね笑。


10. no fun

みなさんおなじみのThe stoogesのカバーです。ギターの音がすごく厚く、聴いていて心地良いです。間奏もトレモロを使用し、コードをかき鳴らしていて、リスナーを飽きさせません。2分半ちょっとという短い時間でこのようなアレンジに仕上げるところもまた才能なんでしょうね(原曲は5分以上あります)。ちなみにこの曲はレコード版のみの収録です。聴きたい方はレコードを買いましょう笑。


11. them eyes

最初にトレモロをかけたギターのメロウなフレーズで始まるこの曲、次の瞬間からはパンクのような勢いのあるフレーズに移り変わります。途中からラジオボイスを取り入れたり、緩急のある展開が印象的。個人的にB面でおすすめの楽曲です。このアルバムの中ではかなりポップな部類に入ると思います。


12. leavin' trunk

こちらもブルースのスタンダード曲。イントロのギターフレーズや、サウンド面では、このアルバムにしてはかなり丁寧に演奏されている印象がありますね。何か思い入れがあるのでしょうか。もともとはSleepy John Estesという方が作曲したそうですが、詳しいことは調べられていません。Taj Mahalのカバーが有名ですね。


13. blooklyn bound

珍しくベースがかなり目立っている楽曲。ギターが自由に弾いている裏で、ベースがイントロのメロディーを延々と弾き続けています。展開もあまりなく、シンプルな構成でまとめられています。


14. 240 years before your time

最後、トリを飾るのは今までの曲と違って、すごくサイケ感があります。Led ZeppelinJimmy pageテルミンを使っている情景を連想させています。最後だし、少し自由にやりたい気持ちがあったのでしょうか。海外の人って、メロディーというより、この曲のような"雰囲気作り"がうまいですよね(アンビエントミュージックしかり)。正直憧れます。

 

最後に...

このアルバムは個人的に、曲単位で聴くというよりアルバム全体で聴く方がいいと思います。まとまり感があって、このThe Black Keysがどんな曲が好きで、何を目指しているのか、というものが伝わってくるように感じました。全体の雰囲気がすごくレトロで生々しいギターの音などが心地よいです。昨今の時代的に、原点回帰的な風潮もあるのでそれにマッチした形で、人気が出たのかと思います(このアルバムを出したのはもう18年も前のことなのですが笑)。デジタルな音が主流な世の中で、あえてアナログなサウンドで勝負する精神が、ロックであり、世のロックバンドは見習うべき存在なのかもしれません。

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